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【書評】「スマホ脳」スマホに使われる人間

初回:2021/5/5 最終更新:2021/5/5

 

スマホ依存症

 

はじめに 

私たちの生活に欠かせなくなってしまったもの、「スマホ」の存在です。

ほんの10数年前にはなかったものが、現在では小さな子どもが持つほど普及しています。 

そして1日何時間もの時間をスマホのスクリーンに費やしています。

朝起きてまずすることがSNSのチェックの人もいるのではないでしょうか。

SNSを見ることが決して悪い行為だとは言いません。それが仕事の人もいるかもしれません。

ただ、それが意識的に行われている行為であるかがここでの問題になっているのです。

 

 

目次 ーーーー

1.スマホ=ドラッグの仕組み

2.スマホ脳になって起こる問題

3.スマホ対策

 

 

1.スマホ=ドラッグの仕組み ーーーー

 

人間の脳は大昔の採集狩猟民族の頃から変わっておらず、このため生存本能やその他にも生存本能に通じる多くの本能が残っています。

 

その中でスマホをドラッグとしているのが、

・脳は新しい事象を探究する衝動

・脳は「かもしれない」を好む

という本能です。

 

まず脳は新しい物好きです。それは生き延びるためには周囲の情報を得る必要があったことに起因します。例えば、外敵から逃げるにはいち早くその脅威を察知する必要があります。それは周囲の状況を把握することであり、生存確率の向上に繋がります。

 

次に脳はかもしれないという不確定な事象を好みます。これは脳の伝達物質「ドーパミン」が関係しています。ドーパミンとは人間に行動する動機を与えることを最重要課題としており、また私たちを元気にもします。つまり、何かをしている最中よりその前段階の方が脳はドーパミンを分泌しているのです。

 

これらの本能を最大限に利用しているのが皆さんも使っているSNSです。

例えば、TwitterInstagramで何をする訳でもなく、次の投稿、次の投稿、、と本当に欲しい情報もなく、時間の無駄だとわかっていても見てしまう行為。これは脳が新しい情報を欲しているのです。上記では触れませんでしたが、この際にもドーパミンはドバドバ分泌されています。そのために私たちはこの行為をやめられないのです。

LINEの通知が来たとき。LINEの内容を確認するより通知が来たときの方がうれしくありませんか?誰から来たんだろう、何のようだろう。これは脳がかもしれないに反応してドーパミンをドバドバ分泌しているためなのです。

 

これだけいうとドーパミンがまるで悪者のようですが、ドーパミンは適切な分泌であれば問題ありません。というより人間にとって必須なのです。

ただ、スマホを扱うとき、少し見るつもりが気づけば1時間経っていること。使っていなくてもスマホが気になってしまうこと。ありませんか?

この状態になるために、本書ではスマホドラッグと称しているのです。

この仕組みを疑いなくすんなりと受け入れられたとしたら、おそらくこれを読んでいる読者の方もスマホによる何かしらの変化(もはや異変)を感じ取っているからかもしれません。

 

 

2.スマホ脳になって起こる問題 ーーーー

本書の第7章「馬鹿になっていく子どもたち」

私はこの章題が気になって本書を手にしたのですが、

やはりというべきか、これは自身が最近感じ始めていた上記でいう異変でした。

どう言うことかと言うとスマホを使用することで「自制心」と言うものが薄れている気がしていたのです。

その例が、上記でも挙げたような行為をわかっていてしてしまうということです。

これを本書では「スマホ依存」としています。

 

スマホ依存になるとどうなるか。。

眠りが浅くなる、後から考えると無駄だったと思えることに何時間も時間を費やす、何も考えずに10分おきにスマホをチェックする。そしてスマホが見える範囲にないと不安になる。

少し考えただけでも自身にとって害となることが容易に考えられたのです。

そしてこれらは全て集中力の低下をもたらしていました。

 

私は、自制心と言うものが「大人になる」ことに最も大切なことだと思っていましたが、

この異変を感じたために本当にショックを受けました。

 

 

3.スマホ依存対策 ーーーー

では、このドラッグとも言えるスマホ依存に対する策をどうするべきか。。

物理的にスマホを扱う時間を制御することも挙げられているが、

本書では最も重要なこととして

週に2時間あたりの運動を行うこととしている。

 

最近では新型コロナウイルスの影響もありウォーキングやランニング、自宅トレーニングがブームとなっていることから、世界的な書籍のここでもかと思いましたが、どうやら明確に理由があるようです。

これも私たちの祖先に遡りますが、狩猟を行う、外敵から身を守る、逃げるためには最大限の集中力を要します。それらの行為は座学ではありません、運動になります。それも生死をかけた本能的なもの。私たちの祖先はすくなくとも2~3時間は時間を費やしていたため、研究結果からも体のコンディションは現代人とは比べ物にならないほど健康だったと言います。

 

つまりは、私たちはスマホに対して制限を行うことと同時に失いつつある集中力を取り戻す対策を打つ必要があるということなのです。

  

 

EX.終わりに ーーーー 

 

スマホが普及して、世の中が便利になったことは言うまでもありません。

しかし、それゆえに情報の取捨選択が必要になりました。

この書籍も、私の記事もその情報の一つに過ぎません。

ここで挙げたSNSも悪いことではありません、便利機能の一つであることは間違いありません。

ただ、私たちがそれを自身の意思で使いこなせているかが甚だ疑問です。ITの大手は脳の専門家を雇っているところもあります。それは本記事でも出てきた本能に訴えかけることを前提とされているアプリケーションがあるということの裏付けです。

また、iPhoneの生みの親であるスティーブ・ジョブズ氏が子どもにiPhoneを持たせなかったのはその脅威を知っていたからに他なりません。

スマホ自体も決して悪いものではありません、しかし全ては使い方次第であることは言うまでもありません。

今一度、自身がスマホを使いこなせているのか、スマホに使われているのか、この記事が考えるキッカケになれば幸いです。